梅の花に続いて春を告げるモクレンの花。紫と白がありますが、先に白木蓮が咲ます。3月初めに咲き始め、十日くらい遅れて紫木蓮が咲きます。花びらは幅が広く厚みがあり、花が上向きに閉じたように咲きます。しかも全開しません。
ここが、こぶしと違うところですが、こぶしは蕾が開く直前の形が子供のにぎりこぶしに似ているので、その名がついたようです。白い花で花びらは全開します。
また、似た仲間に、四手こぶしがあります。細長い花びらが、十数枚あって垂れ下がるさまが神前に供える玉ぐしの「四手」に似ていることから、「四手辛夷(しでこぶし)」また、ピンクの「紅こぶし」もあります。
春は一年の始め、何事も希望を持って耐えれば、必ずその夢が実現する時が来る。誰にでも、どんな時にも、『冬は必ず春となる』。秋には枯葉が小枝と別れ、土に落ちて埋もれます。長い冬が過ぎて、やがて春となって芽吹き、緑の葉が茂ります。栄枯盛衰を思えば、やはり春が初めかな。そして冬が終わりであれば、今まさに一年が始まります。作られるもの、生まれるものにしても、最初は新しく、また小さく生まれ育って大きく逞しく美しくなり、大輪の花を咲かせます。そして熟し、実り、子孫を残して余生を送り、やがて消えて行きます。はかなきは命かな!と思い、生の終焉に繋がるとは言え、決して悲しいばかりではありません。万物はすべて、同じ運命を辿る訳です。人が人と出会い、結ばれるのも、やがて成熟した時期を過ごし、死が二人を分ける時を迎えるのです。晩年が幸せであれば、それこそ本当の幸せ、良い人生だったと言える事でしょう。